★概要
- 日程:2016年5月3日
- 天候:晴れのちくもり,一服峠気温(15.9℃)
- コースタイム:
自宅発2:50→六郎木駐車場着6:10→尾根取り付き開始6:20→林道に撤退完了8:00→天神山登山口(茶畑)着9:00→天神山山頂着9:20→ 休憩&作業20分→天神山発9:40→林道天神山線着10:00→井川峠登山口着10:10→一服峠着11:45→休憩1.5時間→一服峠発 13:15→井川峠登山口着14:10→六郎木駐車場着15:00→自宅着17:30 - 総行動時間:13時間(自転車:3.5+2.5時間,山行:5.5+2時間)
- 休憩時間:2.5時間
- ルート:松浦理博「安倍山系 中」,笹山ルート①
★写真(216枚)
★動画(4本)
★ 感想
今回の山行は天神山→深沢山の縦走を目指していたが,時間切れとなり,途中の一服峠で引き返した.
天神山へのアプローチを,六郎木のそばの登山口から尾根への取り付き開始したが,すでに登山口が荒れており,人が入っていない感じが強かった.
少し登っていくと道は,落ち着き始めたので安心したが,突如出現した防獣網によって,この後大きく計画が乱されることになる.
「安倍山系」では防獣網のことは書かれていなかった.防獣網の中は伐採地となっており,本来はそこに尾根筋があるようだったが,諦めて防獣網沿いの山道を行った.
しかしそのトラヴァース道も,防獣網がなくなると同時に荒れ始め薄くなってしまった.おまけにその先は尾根筋からどんどん離れていってしまう.
そこで諦めて引き返し,防獣網にあった扉を開いて中に入ってみた.しかしその伐採地の急斜面に道らしきものはなく,またこの急斜面を登ったところで,防獣網から外に出るための扉があるかどうかはわからない.
防獣網の反対側の端まで行ったが,防獣網の外には道はないようだった.しかも防獣網に扉はなかった.ザレた場所の急斜面で危険もあるため,諦めて後戻りし,防獣網の外に出た.
その後もう一度,防獣網の終わる当たりまで移動し,尾根に取り付けるかどうか斜面を確認してみたが,もちろん道らしきものはない上に,急斜面であり,とても登れそうになかった.
これでやれることは全てやり尽くし,このルートを断念する決断に至った.約200mを下り,取り付いた林道へ戻る.約1.5時間のタイムロスと体力消耗となった.
林道を約1時間歩き,大代の集落に到着.集落内を歩いていると地元の男性が作業をしていたので,天神山への道を尋ねる.
するとすぐに彼の奥さんが現れ,自分の言葉を復唱して彼に告げた.どうやら彼は難聴だったのだろう.声が恐ろしく大きくて,まるで怒鳴られているように感じだったのはそのためだったのだ.話をしてみると,彼は天神山の地主だという.
「天神山には何もないよ.三角点も見つからないかもしれない」とご夫妻はおっしゃる.それでも自分は登ってみたいと告げると,なんと旦那さんが道を案内してくれるという.
恐縮しながら彼の後について,茶畑の道を上っていく.初めて,自分の山行にガイドがついた.
先行する旦那さんはいろいろと話しをしてくださった.特に道の途中で立ち止まり,自分の目的地である深沢山を指差して,山を解説をしてくださった事は印象に残った.
彼が指差す深沢山には,小さな引っかき傷のようなガレが山頂の少し下あたりにあった.旦那さんによれば,このガレから土砂が濁川に入り,そのために川の色が赤茶けてしまうという.濁川の名の由来だそうだ.
旦那さんとは途中でお別れして,再び単独行となった.天神山山頂にはすぐに到着した.三角点もすぐに見つかり,ヤブの中を探し回る心配は杞憂に終わった.
山頂を後にして,旦那さんのアドバイス通り,登り口とは反対の林道天神山線に下りた.その後,林道を歩き,深沢山への登山口となる場所まで移動する.
ジャージのようなものを着た,二人の若い女性を荷台に載せた軽トラが,林道をバックしてきた.お二人には挨拶したが,今考えてみると,おそらく茶摘みに行くところなのだろう.ここは高級茶葉の産地らしく,茶刈機は使用せず,手摘みするようだ.そのため家族総出で茶を積むのだろう.今はGWなのだが,茶農家はたいへんだ.価格が高いのも納得できる.
登山口に到着すると意外にも登山ポストがあった.書かないとまずいなと思っていると,後ろから「こんにちは」と声がした.登山ポストの隣りにある民家に住んでいるであろうご婦人であった.車に乗って今から,お出かけのようだ.
「登山届書いていってくださいね」と笑顔でおっしゃる.これでは書かないわけにはいかない.ところが極めてよくあることだが,ここにおいても登山届けの用紙は,所定の場所に入っていない.風雨と湿度で紙がダメになってしまうのはわかるのだが,何らかの対策が必要なのではないか?
どうしたものかと思い,とりあえずポストの中を覗いてみた.ポストの中には,数枚の紙片が入っていた.所定の登山届用紙がないため,登山者が紙片に計画を書いて投函したものらしい.
自分もそれに習い,ザックからメモと筆記具を取り出し,簡単に計画と氏名・住所・電話番号等を書いて投函した.
登山口を後にして登り始めると,すぐこの道が極めて整備された道であることがわかった.つまりカネがかかっているということだ.静岡市認定の「みどりの道」なのだから当然といえば当然だが,ザレているところには,鉄パイプで組んだ鉄橋や崩落防止の石組みが随所にある.
おそらく以前は難所であったと思われる「大代首」と呼ばれる痩せ尾根も,ご丁寧に鉄パイプ製の階段がつけられており,全く危険は感じられない.
特に驚いたのは,山道の途中に水道の水場があったことだ.ここまで上水を引いたことに驚く.さすがにこれは登山者のためではなく,石組み等の作業をする方々のための水場が残されたものだと想像するが,どうなのだろう?
このように人工臭のする道ではあるが,序盤は杉林ではなく,広葉樹の雑木林に囲まれているためか,歩いていて気持ちは良かった.
しかし大代首を過ぎてしばらくすると,杉林が始まった.いつもの杉林の中のつづら道かと思ったのだが,意外にもつづら道よりも,直登が多かった.連続的かつ単調な薄暗い杉林の中で,先の見えない直登を登り続けるのは,精神的にこたえる.
それがようやく終わると道はやや平坦になった.その少し後に,標高1200m程度と思われる「一服峠」に到着した.
一服峠には,たくさんの山火事注意の看板がある.文字通りタバコを一服する者が多かったようだ.これだけ注意看板があるということは,かつてここで山火事でもあったのだろうか?
一服峠自体は,半分が杉林なのだが,斜面側の半分は気持ちの良いブナ林となっていた.ブナも一本一本が背が高く,枝ぶりも良い.おまけにこの峠の周辺には,平坦地があるので,休憩するには確かに良い場所だ.
この時点で時間は既に11:45となっていた.やはり最初のロスタイムが大きかったようだ.深沢山まではあと1kmほどなのだが,何らかのハプニングがなくても,おそらく1時間はかかる.帰りが45分としても,約束した自宅帰着時間には間に合いそうもなかった.
ということで,今回の山行は深沢山を断念し,一服峠までとした.
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