2016年4月23日土曜日

湯の森→二王山(1208m)→込岳(1309m)

★概要

  • 日程:2016年4月23日
  • 天候:晴れのち曇り,込岳山頂気温(10.8℃)
  • コースタイム
    自宅発2:45→梅ケ島大橋5:45→湯の森登山口6:00→二王山着8:00→休憩15分→二王山発8:15→込岳着11:30→休憩1.5時間→込岳発13:00→二王山着15:15→湯の森登山口16:30→自宅着19:00
  • 総行動時間:12時間(自転車:3+2.5時間,山行:5.5+3.5時間)
  • 休憩時間:1.7時間
  • ルート:松浦理博「安倍山系 中」,二王山ルート①⑥ & 込岳ルート③

★写真(196枚)

★動画(4本)

★ 感想

二王山登山については省略.前回の投稿を参照

二王山近辺の三角点(仁王木)を過ぎてしばらくすると私製道標が出てくるが,道を見失い,付近をさまよう.その後登山道を見つけるが,スマホカメラ(HDR)不調により,なかなか先に行けない.

途中でHDR撮影を諦める.その後は急登直登のアップダウンが始まるが,噂通り,急登の傾斜がかなり厳しい上に長く,直線的で苦しめられた.


道標は2つしか出てこないが,テープは割と多めな上に,黄色いプラスチック標柱がガイドしてくれて助かった.

途中にあるスッペン河内の大ガレは,今までの山行の中で最高の展望で,目を見張った.目的地をここにするの悪く無いと思う.


途中の尾根道が,笹で覆われていたため,トラヴァース道を選んだが,ガレが現れ,道が消えていた.そこで杉林の斜面を登り,尾根に取り付いた.

斜面にイワカガミ,山桜,ツツジが咲いていた.スギ・ヒノキ以外にも,広葉樹がたくさん存在するのだが,その落ち葉が急登を覆っていたため,下りは特に注意を要した.


下山後,登山口への通路となっている民家の婦人と話をした.

それによると二王山に登って行方不明になっている人が二人いるとのこと.両方共80歳ぐらいで一人はお医者さん,一人は高校の元教師.ザックが川で見つかったようだが,遺体は確認されていないため,ご家族が何度か捜索登山したとのこと.

また1~2年前にクマも出現したと言う.

2016年4月16日土曜日

湯の森→二王山(1208m / 1200m越)

★概要

  • 日程:2016年4月16日
  • 天候:曇り時々晴れ,二王山山頂気温(14.1℃)
  • コースタイム
    自宅発3:30→梅ケ島大橋6:30→湯の森登山口6:45→二王山着9:30→休憩1.5時間→八森山発11:00→湯の森登山口12:30→自宅着15:00
  • 総行動時間:12時間(自転車:3+2.5時間,山行:2.5+1.5時間)
  • 休憩時間:1.5時間
  • ルート:松浦理博「安倍山系 中」,二王山ルート①

★写真(213枚)

★動画(6本)

★ 感想

大変穏やかな登山道で,アップダウンはなく,ゆるやかに山頂に至る.あちこちに平地が多く存在する.また松林が印象的.最初と最後以外は杉林.

伐採地を除いて展望はほとんどない.水場は0.登山口から尾根までは道が細い上に,枯れ葉が覆っておりやや危険.イワカガミ群生地が尾根にあった.分岐はほとんどなく,道は概ね安全.

下山中,登山者一人と出会い,軽く情報交換した.

2016年4月9日土曜日

栗駒→八森山(1044m)

★概要

  • 日程:2016年4月9日
  • 天候:曇り時々晴れ,八森山山頂気温(14.4℃)
  • コースタイム
    自宅発3:00→栗駒登山口5:30→八森山着9:30→休憩1.5時間→八森山発11:00→栗駒登山口14:00→自宅着16:00
  • 総行動時間:11.5時間(自転車:2.5+2時間,山行:4+3時間)
  • 休憩時間:1.5時間
  • ルート:松浦理博「安倍山系 中」,八森山ルート③

★写真(257枚)

★動画(6本)

★ 感想

展望もなく,沢もなく,水場もなく,ひたすらに杉林の中を行く感じ.ただイワカガミ群生地が道沿いにあったのは良かった.標識は少なめだがテープがかなりあるため,行きについては,ほとんど迷うことはなかった.気温と湿度が予想よりも高く,水が余らなかった.要注意.

2016年4月2日土曜日

林道中沢線→大段山(710m)

★概要

  • 日程:2016年4月2日
  • 天候:曇り
  • コースタイム
    自宅発4:20→白髭神社着5:50→林道中沢線終点着6:20→大段山(推定)山頂着9:10→三角点「落合村」着9:20→686m峰着10:50→井川清水線35号鉄塔着11:15→休憩15分→井川清水線35号鉄塔発11:30→林道中沢線終点着13:15→休憩15分→林道中沢線終点発13:30→白髭神社発13:50→市内交通規制→教会着15:15→自宅着17:30
  • 総行動時間:11時間(自転車:1.5+1.5時間,山行:5.5+2.3時間)
  • 休憩時間:0.5時間
  • ルート:松浦理博「安倍山系 中」,大段山,ルート①参照

★写真(214枚)

★動画(6本)

★ 感想

すべてはこの標識から始まった…


前回の参謀本部山(権七)山行行程において,奇妙な標識が見つかった.それは静清庵自然歩道の道標で「大子野山頂」の方向が示されていた.自分の知らない山だった.距離は標識から2.5kmとなっていたため,明らかに「安倍山系」の掲載対象となる山のはずだが,帰宅後「安倍山系」のページをめくり,ネットで検索してみても,「大子野山」の情報にたどり着くことは出来なかった.

「大子野山」とはどこかの山の別称または愛称なのか?それとも,地元民にのみ呼称されている無名峰なのか? ならばなぜ,静岡市の管轄する「静清庵自然歩道」の標識に,一般呼称とは異なる名称が記載されているのか?疑問が渦巻いた.

そこで今回は,幻の山「大子野山」山頂を求めて,この標識が指し示す山道を探索することにした.


この標識の付近にある最も近い山は,「安倍山系」によれば,自分がまだ登ったことのない「大段山(710m)」となる.そこから自分は,もしや標識の「大子野山」は「大段山」の誤記ではないかという仮説を立てた.今回はそれを検証するため,この大段山に登り,山頂周囲に「大子野山」という名称の痕跡がないか,調べてみる.

自転車で林道中沢線起点近くの神社で下車.神社からは林道中沢線を,終点まで歩いて行く.林道途中で農作業をしていた男性に出会い,「大子野山」の事を尋ねたのだが,それについての情報は全く得られなかった.

林道を30分ほど歩いて終点に到着したが,そこで困ったことになってしまった.終点から山道が3本ほどに分岐していたのだ.安倍山系の該当箇所と地図を読み返してみたのだが,どれかルート①に該当するのかよくわからない.とりあえず道筋の明瞭な最も右にあった道を登り始めた.ところが後で気づいたのだが,これがどうやらルート①とは異なる中電の巡視路で,安倍山系には掲載されていない道だった.

ザレ気味で,濡れた枯れ葉が覆っている沢沿いの細い道を注意して登っていくと,はっきりとした道に合流した.これが安倍山系に破線で記されている中電巡視路(バリルート)であることには,帰宅後に気づくことになる.

その巡視路をまっすぐに上っていくと防獣網に囲まれた伐採地に出て,展望が開けた.雨が上がったばかりで,山間に雲が低くたなびいていた.霞のかかった青黒い山なみと,モノクロームのグラデーションで描かれた曇天の空は,まるで墨絵の世界.ちょっとした感動を覚え,何枚か写真を撮る.
 

伐採地の脇をさらに上っていくと,最初の難関が現れた.非常に荒れた細い道だ.道は倒木と草で覆われている上に,左右の防獣網から雨に濡れた針葉樹の枝が飛び出しており,先が見えない.果たして通行可能か判断ができなかったため,迂回路を探してもみたのだが発見はできなかった.意を決して,強行突破することに決める.

確かに道は荒れていたが,ありがたいことに太い倒木等は横たわっていなかった.体を横に滑らせ,藪漕ぎ感覚で突破することができた.長さは数十mぐらいか?
 
そこから歩きやすい巡視路をさらに上っていくと,濃いガスに霞んだ茶畑についた.その茶畑の上の方には,薄っすらと巨大な亡霊のような高圧線鉄塔が浮かんでいる.亡霊でもありがたい.とりあえずそこを目指すことにした.おそらくそこには,次の高圧線鉄塔への巡視路があるはずだから.

ところが期待した次の鉄塔への巡視路が鉄塔付近に見当たらなかった.薄っすらとした踏み跡が鉄塔周囲にあるのだが,どれも不明瞭ですぐ道が消えてしまう.やむを得ず次の鉄塔方向にある,杉に覆われたなだらかな斜面を偵察してみた.すると奇妙な人工物に出くわした…


 …長い長い石積だ.防獣壁として設けられたものだろうか?どこまで続いているのかわからないが,山の斜面にそってずっと杉林の奥へと続いていた.石積沿いにしばらく歩いてみたのだが,全く終わる気配がない.これだけのものを作るのには,相当の努力を要したに違いない.今これは役に立っているのだろうか?

結局斜面に山道は見つからず,再び鉄塔まで戻り,作戦を練り直すことにする.鉄塔を見上げ,高圧線の走る方向と地形図を付きあわせて,想定される巡視路の位置を考えてみた.その結果,今まで歩いてきた巡視路にあった幾つかの分岐が候補に上がった.さっそく来た山道を戻り,その中の最初の分岐を探ってみる.

標識こそ全くなかったが,その最初の分岐は,ありがたいことに次の高圧線鉄塔の方向に続いていた.巡視路とみて間違いないようだ.その道をしばらく行くと,ようやく中電巡視路テープが姿を表した.巡視路であることの確証が得られ,安堵する.

そこから先は杉林の中を,古いタイプの巡視路標識と巡視路テープがずっと導いてくれた. 巡視路はしっかり踏まれていて明瞭そのものだ.

しばらく行くと道は涸れ沢と並行しはじめた.この涸れ沢の中が,安倍山系のルート①らしい.まもなく自分の歩いていた巡視路は,ルート①の合流点らしき涸れ沢を渡る場所に達した.ここからは事実上,安倍山系のルート①を歩くことになる.

杉林を抜けると,展望の開けた鉄塔37号に出た.竜爪山や安倍川がよく見える.暫くの間,そこで撮影をしたのだが,その鉄塔の横にまたしても奇妙な人工物を見つけた.


立派な道標があったのだ.しかもそれは巡視路標識ではなく,明らかに登山者を対象とした標識だった.「こんな道を登る人が果たしているのか」とも思ったのだが,ありうることはこの巡視路が「静清庵自然歩道」を兼ねているということだった.それしか考えれない.しかしそれならば,なぜここまでの道程に官製標識が一切なかったのだろう?謎が残った.

37号鉄塔を後にして,しばらく登っていくと,「安倍山系」で分岐の目印として予告されていた古い巡視路標識の前についた.ここからは巡視路を離れて,尾根を行くのだが分岐はなく,道らしい道もない.当然,巡視路標識もないため,そこからはなんとなく尾根筋を行く感じだ.ありがたいことに下に草などが生えていない杉林であるため,歩くことについて全く支障はない.迷いそうな支稜線もあるが,そのような場所には篤志家によるテープがあり,助けてくれた.

やがてGPS表示から,大段山山頂らしき場所に到着した.しかしそこは山名標等の標識類が一切ない,雑然とした尾根上の杉林の中だった.確かに安倍山系にも「現地で山頂は判断してもらいたい」と書かれていた.なんとも言えないモヤッとした感じがした.とりあえず登頂判断は後回しにして,山頂よりも低い場所にあるはずの三角点を目指すことにした.

 三角点のある平坦地にはすぐ到着した.標石は草の中に埋もれておらず,探す必要もない.その標石の周囲には「中沢山(大段山)」などの標識が幾つかあった.「中沢山」という名称については初耳だ.もしかしたら,こちらのほうが通称なのかもしれない.いずれにしても標識等から多くの登山者が,この三角点のある場所を山頂とみなしているようだった.


自分は標高693mの三角点が,最も標高の高いはずの「山頂(地形図から710m越)」とすることに納得がいかず,そこからもう一度,先ほど通過した山頂らしき場所に戻り,GPSを使って標高表示の最も高い場所を探し,歩きまわった.

地形図を見ると,大段山には西側と東側,2つの710m越ピークがある.自分のGPSで計測した結果,西側のピークが最高709m,東側のピークが最高702mと表示された.西側のピークの標高最高点は倒木の多い杉林の中にある.自分はその地点を大段山山頂とみなし,登頂とした.

結局,この推定山頂にも標識類は一切なく,また三角点の周囲にも「大子野山」という名称は発見することが出来なかった.大段山の登頂は果たしたものの,「大子野山」については何の手がかりも得ることはできなかった.さあ,これからどうするか?

この時点で時間は9:50.時間的にも体力的にも,まだ余裕があり,行動は可能だった.そこで地形図から大子野山の候補となりそうな山を探し,そこに向かうことにした.調べてみると,周囲の無名峰で最も高そうな山は,ここから500mほど離れた場所にある686m峰だった.

先ほどの巡視路まで戻り,そこから686m峰近くの鉄塔へと続く巡視路を行く.その途中に36号鉄塔があり,そこでも展望が開けていた.そしてあの登山者向け標柱もあるではないか!この巡視路も「静清庵自然歩道」なのか?


36号鉄塔から35号鉄塔に向かう巡視路の途中に,686m峰への尾根筋があった.筋は見かけではうっすら踏まれていた.それは山頂に人手が入っている可能性を意味する.とすればこれが大子野山なのか?期待に胸がふくらんだ.

歩きやすい尾根筋を登り,686m峰山頂にはすぐについた,ついたのだが,そこには山名標おろか,標識.標柱,テープ類は一切なかった.あては全く外れてしまった.大子野山はいずこに?

さてどうするか?時間もあまり残っていない上に,大子野山の候補となる無名峰が周囲に見当たらない.もはや大子野山探索は諦めねばなるまい.せめて展望のある場所で昼食を取りたかった.そこで先ほどの巡視路まで戻り,近くの35号鉄塔に行くことにした.そこならば展望があるかもしれないと思ったのだ.

少し歩くと井川清水線35号鉄塔についた.わずかではあるが展望があり,おとなりの山が見える(帰宅後に気づいたのだが,見えていたのは大篠山).ここで15分ほど休憩を取ることにした.カロリーメイトで昼食を取りつつ,本日の山行について思いを巡らせる.

「結局,大子野山は見つからなかったが,大段山には登れたし,まあよしとするか」

そう自分に言い聞かせてから, 帰路についた.その帰り道でちょっとしたミスをした.同じ道を帰るのはつまらないので,帰りに伐採地の真ん中を通っていたモノラックレール沿いの道を下ろうと考えついたのだ.


下り始めは確かに良かったのだ,やがてそれが道ではないことに気づかされた.まっすぐに下っているそのレールの敷設された場所はザレていて,見た目よりずっと傾斜していた.しまったと思ったがもはや,登り返すことも厳しいほど下っていた.慎重に下っていくしかない.ここで時間と体力と気力を消耗することになったが,無事になんとか登山道に降りることが出来た.ヤレヤレ…

こうして帰宅となったのだが,結局「大子野山」と,鉄塔にあった登山者用標識の謎は残ったままとなった.気持ちが悪いので,これらについてさらに調べてみた.
結局謎は解けたのだが,この2つの謎を解く鍵は,意外なことに文献やネットではなく,自分自身が撮りためた山行写真の中にあった.
 まず「大子野山」の方だが,自分はこれを「おおこのやま」と読んでいた.自分は当初,この山を示す標識のあった場所の周囲約2.5kmの情報をネット等で集めたのだが,見落としがあった.かつて自分はこの大段山の隣にある大篠山(904m)から,俸沢山(972m),見月山(1047m)へと縦走したことがあり,その時に写真を沢山撮っていたのだ.そこに「大子野山」に関する情報が写り込んでいる可能性を見落としていた.
 自分は見月山縦走時に撮った写真を見なおしていった.そして大篠山(おおしのやま)の山名標が映っている写真を見た時,はっとした.「大子野山」は「おおしのやま」と読むことができるではないか!
 「大子野山」に関する疑問は瞬時に氷解した.「大子野山」は「大篠山」の別の表記だったのだ. 最初に見つけた静清庵自然歩道標識の表記にあった2.5kmという距離も,大篠山の位置にほぼ合致する.でもなぜ静岡市は「大子野山」という表記を,大篠山に用いたのだろうか?誤記なのか?地元の方の表記なのか?少なくとも大篠山山頂にあった篤志家による山名標には「大篠山」と書かれており,「大子野山」という表記は一切なかった.この謎は未だ解けてはいない.
次に「静清庵自然歩道」の謎だが,これも自分の撮った前回の山行写真から明らかになった.
 「大子野山」が表記された静清庵自然歩道の標柱から,あまり離れていない場所に静清庵自然歩道の案内板のようなものが立っていて,それを写真に納めていたのだが,その地図が非常に荒かったため,内容をよく確認していなかったのだ.
この案内板の地図と地形図を照合したところ,案内板に破線で示されている,この地域の旧静清庵自然歩道は,林道中沢線→37号鉄塔→36号鉄塔→鞍掛→林道奥池ヶ谷線というルートだったようだ.鞍掛から尾根道を400mほど行けば大篠山に到着する.ところが破線上にある「❌」印から,何らかの理由により,このルートは廃止となったようだ.確かにこのルート近隣にある見月山周辺で,遭難騒ぎがあったことは耳にしている.

この廃止により,ルート上にあった官製指導標識は撤去されたのではないか?ただしルートの指導標でもなく,鉄塔に関する注意看板にすぎない重いコンクリ製標板は,撤去する必要もないため,そのまま残されたのではなかろうか?
 以上はあくまでも推測ではある.ただ自分的には溜飲を下げることができた.謎解き終了.